─症例報告─
サポウイルス胃腸炎罹患後に胃十二指腸潰瘍を認めた2歳女児例
齊藤 晃士1), 石原 正行1), 高橋 一平1), 山本 雅樹1), 久川 浩章1), 森澤 豊2), 藤枝 幹也1)
1)高知大学医学部小児思春期医学 2)けら小児科アレルギー科
サポウイルス胃腸炎に胃十二指腸潰瘍を合併したまれな症例を経験したので報告した.症例は2歳の女児.入院5日前から下痢を,4日前から嘔吐と腹痛を認め,その後症状は軽快していたが,入院当日に顔色不良と黒色便を認め,便潜血強陽性のため当科を紹介受診した.貧血を認めたことから消化管出血を疑い,上部消化管内視鏡検査を行い胃十二指腸潰瘍を認め,絶食管理と制酸薬投与を行った.後日,便ウイルス検査でサポウイルスが同定されたことから,サポウイルス胃腸炎に合併した胃十二指腸潰瘍と診断した.感染性胃腸炎に伴う幼児の腹痛の鑑別として,胃十二指腸潰瘍もあり,経過中の貧血,血便の有無についても注意を要する.治療方針を決める上で内視鏡検査は有用であった.
Key words | サポウイルス, 胃十二指腸潰瘍, 消化管出血 |
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連絡先 | 石原正行 〒783-8505 南国市岡豊町小蓮185-1 高知大学医学部小児思春期医学 |
受付日 | 2017年8月14日 |
受理日 | 2018年3月12日 |
小児感染免疫 30 (1):51─56,2018
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