─症例報告─
ムンプスウイルスを先行感染として発症し両側性顔面神経麻痺を呈したGuillain-Barré症候群の1例―T細胞受容体β鎖可変領域レパトア解析からGBSの病態を考察する―
釜蓋 明輝1), 伊川 泰広1), 松田 裕介1), 白橋 徹志郎1), 加藤 明子1), 黒田 文人1), 谷内江 昭宏1)
1)金沢大学医薬保健研究域医学系小児科
〔〒20-8641 金沢市宝町13-1〕
ムンプスウイルス感染症は片側性顔面神経麻痺の合併が知られているが,今回,ムンプスウイルス感染後にGuillain-Barré症候群(GBS)を発症し,両側性顔面神経麻痺を合併した12歳女児例を経験したので報告する.入院1か月前に流行性耳下腺炎と診断され,徐々に進行する両側四肢のしびれ感や筋力低下を認めた.口に含んだ水が両側口角からこぼれ,両側閉眼が不可となり入院となった.末梢神経伝導速度検査では上下肢での潜時延長,髄液検査では蛋白細胞解離を認め両側顔面神経麻痺を合併したGBSと診断した.免疫グロブリン大量療法(IVIg)を開始後,速やかに臨床症状は改善した.継時的に末梢血T細胞受容体β鎖可変領域レパトア解析(TCRVβ)を行ったところ,Vβ13.2に偏りをもつ活性化したT細胞が初発時から認められ,GBSの病態に関与していると考えられた.顔面神経麻痺の治療は一般的にステロイド療法を主体とするが,GBSはステロイド不応であり速やかなIVIgによる治療介入が必要である.本報告では,ムンプスウイルス感染後GBS症例に関する既報をまとめ,TCRVβレパトア解析結果から病態について考察した.
| Key words | Guillain-Barré症候群, ムンプスウイルス, 顔面神経麻痺, 免疫グロブリン大量療法 |
|---|---|
| 受付日 | 2017年3月8日 |
| 受理日 | 2017年8月2日 |
小児感染免疫 29 (3):263─271,2017
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