─原著─
入院時には川崎病と診断されていなかった川崎病症例の臨床経過
佐藤 厚夫1), 城 裕之1)
1)労働者健康安全機構横浜労災病院こどもセンター小児科
〔〒222-0036 横浜市港北区小机町3211〕
【背景】入院時には川崎病と診断されていなかった川崎病症例の入院から診断までの臨床像については明らかでない.
【対象と方法】平成24年4月から28年3月までの4年間に当科で入院加療を行った急性期川崎病症例を対象とした.入院翌日以降に川崎病と診断・治療開始された症例の臨床情報を電子診療録から採取し,その臨床的特徴,診断経過および転帰を後方視的に検討した.
【結果】川崎病入院後診断例は川崎病全体の35%を占めた.月齢は全国調査成績に比べて高く,入院時診断名としては「川崎病疑い」または「頸部リンパ節炎」が75%を占めた.入院後,主要症状が平均1.8症状増加し,1~2日後に川崎病と診断・治療されていた症例が多かったが,その1/3は主要症状4症状以下の段階でいわゆる不全型川崎病として治療が開始されていた.対象症例中,冠動脈後遺症を発症した症例はなかった.
【結論】川崎病症例において,入院時ではなく入院後に診断される症例は少なくなかった.入院後,適切なタイミングで診断し治療開始したことによって,冠動脈後遺症を予防できた.
| Key words | 川崎病, 診断, 入院, 頸部リンパ節炎, 冠動脈後遺症 |
|---|---|
| 受付日 | 2017年3月27日 |
| 受理日 | 2017年7月31日 |
小児感染免疫 29 (3):249─252,2017
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