機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第29巻第2号目次 > 抄録

─症例報告─

EBウイルス感染CD8陽性T細胞増殖で発症し,再燃時に感染B細胞が増殖した血球貪食性リンパ組織球症の1例

北野 ひとみ1), 藤井 洋輔1), 野坂 宜之1), 八代 将登1), 嶋田 明1), 塚原 宏一1)

1)岡山大学大学院医歯薬学総合研究科小児医科学
〔〒700-8558 岡山市北区鹿田町2-5-1〕


EBV関連血球貪食性リンパ組織球症(EBV-HLH)の児で初発時にCD8陽性T細胞に感染していたが,再燃時にB細胞内に増殖を認めた症例を経験したので報告する.
症例は2歳の女児であり,発熱と汎血球減少からEBV-HLHと診断された.EBV-DNA量と感染細胞のプロファイリングを行い,診断時にはEBV-DNA量の増加とCD8陽性T細胞への感染を確認した.本児にはHLH-2004プロトコールに準じて治療を開始した.全血EBV-DNA量は一時的に検出感度未満まで低下したが,治療終了直後に再度増加した.感染細胞のプロファイリングによりB細胞内へのEBV感染が疑われた.EBV-HLHの再発例では造血幹細胞移植を行うこともあるが,感染細胞の同定によりB細胞への感染が考えられたためリツキシマブを使用し,EBV-DNA量は速やかに検出感度未満となった.EBV-DNA定量と感染細胞の同定はEBV-HLHの治療方針の決定に有用であると考えられた.

Key words EBV関連血球貪食性リンパ組織球症, EBV-DNA, 感染細胞, リツキシマブ
受付日 2017年2月6日
受理日 2017年5月8日

小児感染免疫 29 (2):165─170,2017

PAGE TOP