─症例報告─
血管性紫斑を呈したヒトパルボウイルスB19感染症の5例
加納 友環1), 吉松 豊1), 森口 直彦1)
1)近畿大学医学部堺病院小児科
〔〒590-0132 大阪府堺市南区原山台2-7-1〕
ヒトパルボウイルスB19(human parvovirus B19:PVB19)感染症は紫斑を合併することがあり,血小板減少性紫斑と非血小板減少性紫斑に分類される.今回,非血小板減少性の紫斑を呈したPVB19感染症の5例(papular purpuric gloves and socks syndromeの症例を1例含む)について報告する.年齢は2~13歳で男児2例,女児3例であり,PVB19-IgM陽性あるいはPVB19-DNAの検出により感染と診断した.PVB19に伴う非血小板減少性紫斑は,感染初期に1~3mm大の細かな点状出血が体幹,四肢に出現していた.5症例のうち,腹痛を伴った1例にプレドニゾロンの投与を行ったが,4例が無投薬で自然軽快した.一過性の血清補体価の低下を2例に認め,白血球減少を4例に認めたことから,血清補体価の低下や白血球減少を伴い四肢体幹に細かな紫斑を伴う場合には,PVB19感染症を考慮する必要があると考えられた.
Key words | ヒトパルボウイルスB19, 紫斑 |
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受付日 | 2016年6月20日 |
受理日 | 2017年5月8日 |
小児感染免疫 29 (2):148─152,2017
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