─原著─
小児専門医療施設におけるカンジダ血症の検討
中村 幸嗣1), 堀越 裕歩2)
1)聖マリアンナ医科大学小児科
〔〒216-8511 川崎市宮前区菅生2-16-1〕
2)東京都立小児総合医療センター感染症科
小児専門医療施設におけるカンジダ血症の特徴を明らかにする事を目的に,東京都立小児総合医療センターで経験したカンジダ血症について後方視的検討を行った.対象は2010年3月~2015年3月の間に,血液培養よりカンジダ属が検出された症例とした.症例は全24例,全例が基礎疾患を有しており,22例が中心静脈カテーテルを使用していた.基礎疾患の内訳は,消化器疾患が16例と最多であり,その一方で新生児疾患,悪性疾患は少数であった.分離菌はCandida parapsilosisが8例,Candida glabrataが7例,Candida albicansが6例,その他が3例とnon-albicans groupが18例(75%)と多数を占めていた.初期治療はミカファンギンが54%の症例で選択され,その感受性は概ね良好であったが,C. glabrata 1例にFKS遺伝子変異による薬剤耐性を認めた.近年,欧米中心に同様の薬剤耐性が報告されており,わが国でもその動向に注視する必要がある.
Key words | カンジダ, 抗真菌薬, カテーテル関連血流感染症, 薬剤耐性菌 |
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受付日 | 2016年11月30日 |
受理日 | 2017年3月13日 |
小児感染免疫 29 (2):133─139,2017
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