─原著─
小児におけるプレセプシンの基準値の検討
島田 空知1), 吉田 陽一郎2), 石羽澤 映美2), 竹田津 原野1), 坂田 宏1), 沖 潤一1)
1)旭川厚生病院小児科
〔〒078-8211 旭川市1条通24丁目111〕
2)旭川医科大学病院小児科
背景:プレセプシン(P-SEP)は,単球が細菌を貪食する際に血中に放出される可溶性CD14断片であり,成人領域で敗血症診療に用いられている.小児の敗血症においても,C反応性蛋白(CRP)やプロカルシトニン(PCT)など既存の炎症マーカーでは時に病初期を捉えられず,P-SEPが有用である可能性がある.しかし,小児におけるP-SEPの有用性を検討した報告は少なく,基準値も明確でない.われわれは,感染・炎症を伴わない病態下における小児のP-SEP値より,小児の平常時P-SEPのプロフィールを検討した.
方法:2014年4月~2015年3月に当院を1カ月以上受診した15歳以下の児で,感染・炎症の徴候がない53例を対象とし,血漿P-SEP値と性別,年齢との関連を検討した.
結果:男児27例,女児26例,年齢は生後3カ月~15歳0カ月(平均5歳9カ月±4歳7カ月)であった.P-SEP測定値は68.20±26.83 pg/mLで,性別(p=0.244)・年齢(p=0.776)との関連は認めなかった.
結語:小児における平常時のP-SEPは,性別や年齢にかかわらず68.20±26.83 pg/mLを基準範囲と考えることができた.
Key words | プレセプシン, 炎症マーカー, 細菌感染症, 基準値 |
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受付日 | 2016年9月16日 |
受理日 | 2017年3月30日 |
小児感染免疫 29 (2):127─132,2017
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