機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第28巻第4号目次 > 抄録

─原著─

血液培養陽性となった黄色ブドウ球菌感染症の臨床像

越智 史博1,2), 水野 由美1), 青木 知信1)

1)福岡市立こども病院小児感染症科
2)愛媛大学大学院医学系研究科小児科学
〔〒791-0295 東温市志津川〕


【背景】小児の黄色ブドウ球菌血流感染症は死亡率が高く,早期にMSSAとMRSAを見分け適切な抗菌薬治療を開始することが重要である.
【対象と方法】福岡市立こども病院で,2004年1月~2015年12月までに血液培養から黄色ブドウ球菌を検出した症例を対象とした.対象症例をMSSA群とMRSA群に分類し,患者背景について後方視的に検討した.
【結果】98例(94名)で血液培養から黄色ブドウ球菌を検出し,MSSAが48例(47名),MRSAが50例(47名)であった.発症年齢の中央値はMSSA群が4.2歳(日齢8~20歳),MRSA群が1.0歳(日齢10日~26歳)であった(p=0.193).MRSA群では,基礎疾患,手術歴,入院歴を有する症例,院内発症例が多かった(p<0.001).感染巣はMSSA群では急性骨髄炎(12例),MRSA群では縦隔洞炎(14例)が多かった.全死亡数はMSSA群4例,MRSA群5例で(p=0.803),全死亡症例の89%で基礎疾患を有した.
【結論】基礎疾患,手術歴,入院歴を有する症例,院内発症例において血液培養でブドウ状グラム陽性球菌が検出された際には,初期治療抗菌薬として抗MRSA薬を選択すべきである.

Key words Staphylococcus aureus, MSSA, MRSA, 菌血症, 血流感染症
受付日 2016年4月26日
受理日 2016年8月29日

小児感染免疫 28 (4):249─255,2017

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