機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第28巻第4号目次 > 抄録

─原著─

髄液からヒトパレコウイルス3型が分離された新生児無呼吸発作の1例

下西 成人1), 武山 雅博1), 大西 智子1), 嶋 緑倫1)

1)奈良県立医科大学小児科
〔〒634-8522 橿原市四条町840〕


ヒトパレコウイルス(HPeV)は,小児において胃腸炎や呼吸器疾患など比較的軽い症状を起こすウイルスであるが,新生児や早期乳児ではまれに中枢神経感染症の原因となる.HPeV 3型(HPeV-3)により無呼吸発作を呈した新生児1例を経験した.症例は日齢24の男児,哺乳不良と発熱,両大腿部の発疹を主訴に前医に入院した.入院後,無呼吸発作が出現したため翌日当院へ転院した.胸部X線,心電図,心エコーおよび頭部CTに異常を認めなかった.経鼻持続陽圧呼吸(nasal continuous positive airway pressure:N-CPAP)を装着し,経過観察していたところ,無呼吸発作が頻発したため4日間人工呼吸管理を行った.その後無呼吸発作は再発せず,第15病日に退院した.血清,髄液,便,咽頭拭い液のすべてからHPeV-3が検出され,HPeV-3感染による無呼吸発作と診断した.新生児無呼吸発作の原因としてHPeV感染症も念頭に置く必要がある.

Key words ヒトパレコウイルス3型, 無呼吸発作, 新生児
受付日 2016年4月11日
受理日 2016年11月28日

小児感染免疫 28 (4):243─247,2017

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