機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

Salmonella SaintpaulとPlesiomonas shigelloidesによる細菌性腸炎の1例

朽名 悟1)

1)杏林大学医学部小児科
〔〒181-8611 三鷹市新川6-20-6〕


Salmonella Saintpaulは食中毒の一般的な原因菌として知られている.一方で,Plesiomonas shigelloidesは熱帯・亜熱帯地域では水系環境や魚介類に広く分布する細菌であり,渡航者下痢症の主要な原因菌として知られ,他の原因菌との同時分離例が多いことも特徴である.海外渡航歴のない国内発症例では,これらの菌の混合感染による細菌性腸炎例はまれである.
症例は9歳男児.発熱,下痢が出現し,翌日に全身性けいれんが出現し救急搬送され入院となった.血液培養からS. Saintpaulが検出,便培養からはS. SaintpaulとP. shigelloidesが検出され,これらの菌による細菌性腸炎と診断した.輸液・抗菌薬治療で症状は改善した.

Key words Salmonella Saintpaul, Plesiomonas shigelloides, 細菌性腸炎
受付日 2016年3月10日
受理日 2016年10月5日

小児感染免疫 28 (4):219─223,2017

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