機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第28巻第3号目次 > 抄録

─原著─

異なるHBV遺伝子型由来のHBワクチンを組み合わせた予防接種効果

小松 陽樹1), 梅津 守一郎2), 乾 あやの2), 十河 剛2), 藤澤 知雄2)

1)東邦大学医療センター佐倉病院小児科
〔〒230-8741 佐倉市下志津564-1〕
2)済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科


わが国で市販されているB型肝炎ワクチン(HBワクチン)は,B型肝炎ウイルスgenotype A(GTA)由来の抗原とgenotype C(GTC)由来の抗原を使用した2種類が存在する.しかし,同じスケジュールで2種類のHBワクチンを組み合わせた接種の予防効果は不明である.一連のHBワクチン接種での互換性を明らかにするため,HBワクチンを接種した患児を後方視的に検討した.2007~2015年の期間で28例が解析可能であった.28例中GTA由来とGTC由来のHBワクチンを組み合わせて接種を行った症例は7例(月齢;中央値2カ月,母子感染予防4例)あり,残り21例(月齢;中央値0カ月,母子感染予防20例)は同じ遺伝子由来のワクチン接種であった.異なる遺伝子型由来のワクチン群は全例においてワクチン3回接種後のHBs抗体価は100 mIU/ml以上を示し,両群間でワクチン3回接種後のHBs抗体価に有意差はなかった.また,両群ともに母子感染予防失敗例はなかった.異なる遺伝子型を組み合わせたワクチン接種は,同じ遺伝子型のワクチン接種と同等の予防効果が得られ,両者には互換性があると考えられた.

Key words B型肝炎ウイルス, 遺伝子型, ワクチン, 互換性, HBs抗体価
受付日 2016年4月20日
受理日 2016年7月20日

小児感染免疫 28 (3):179─183,2016

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