機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第28巻第2号目次 > 抄録

─原著─

リウマチ熱の1例

井福 真友美1), 森下 むつみ1), 辻脇 篤志1), 五十嵐 麻衣子1), 内藤 朋巳1), 福嶋 恵1), 大山 昇一1)

1)埼玉県済生会川口総合病院小児科
〔〒332-8558 川口市西川口5-11-5〕


リウマチ熱に伴う心合併症は致死的となり得るため,早期診断・早期治療は重要である.今回,われわれはリウマチ熱の8歳男児例を経験した.病日2に入院となり,他の鑑別を除外し,発熱,関節痛,輪状紅斑の出現をみて診断した.抗菌薬と抗炎症薬による治療を行い,治療開始後より症状は改善し,心合併症なく病日48に退院した.近年,リウマチ熱は症例数が激減しているが,米国におけるリウマチ株の小流行からの輸入感染症として,また予防接種普及による抗菌薬使用率の低下からの再興感染症として,注意が必要ではないかと思われた.

Key words リウマチ熱, A群溶連菌, 輪状紅斑
受付日 2015年2月13日
受理日 2016年5月20日

小児感染免疫 28 (2):99─104,2016

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