機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

emm 89遺伝子型A群レンサ球菌が分離された急性リウマチ熱の小児例

國吉 保孝1), 田代 実1)

1)津軽保健生活協同組合健生病院小児科
〔〒036-8511 弘前市野田2-2-1〕


症例は生来健康な6歳の男児.発熱と関節痛による跛行を主訴に当科に紹介となった.入院時の咽頭培養からA群レンサ球菌(GAS)が検出された.Jonesの診断基準で,大症候1項目,小症候3項目を満たし,急性リウマチ熱(ARF)と診断した.移動性の関節痛は,イブプロフェン内服で速やかに軽快した.GASに対しては,アモキシシリン内服に引き続き,ベンジルペニシリンベンザチン内服を継続中である.現在先進国では,日常診療でARFに遭遇する機会はまれとなっている.しかし近年になって,米国の一地域での小流行や,わが国でも散発例が報告されている.今後わが国での流行の可能性について検討するためにも,ARF患者から分離されたGASのemm遺伝子型の集積が必要と考えられる.

Key words 急性リウマチ熱, emm型, A群レンサ球菌
受付日 2015年9月30日
受理日 2016年1月16日

小児感染免疫 28 (1):3─6,2016

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