─日本小児感染症学会若手会員研修会第6回瀬戸内セミナー─
小児におけるノイラミニダーゼ阻害薬の選択
グループワーク:グループF
手塚 宜行1), 小林 優2), 青砥 悠哉2), 森下 むつみ3), 加藤 宏樹4)
Jrチューター
佐藤 晶論5)
チューター
坂田 宏6)
1)名古屋大学医学部附属病院中央感染制御部 2)北九州市立八幡病院小児科
3)埼玉県立小児医療センター小児科 4)神戸市立医療センター中央市民病院小児科
5)福島県立医科大学医学部小児科学講座 6)旭川厚生病院小児科
現在,日本ではインフルエンザに対し,内服薬のオセルタミビル,吸入薬のザナミビルとラニナミビル,静注薬のペラミビルによる治療が可能であるが,これら4種類の薬剤の特徴については広く知られていない.今回,われわれは,これらノイラミニダーゼ阻害薬の基礎および臨床的な特徴について検討し,小児におけるノイラミニダーゼ阻害薬の選択について推奨案を作成した.
まず,外来治療の基本はオセルタミビルとし,本剤と異常行動との因果関係が明確でない10歳以上の小児や内服困難例などでは吸入薬を選択する.さらに,オセルタミビルのB型インフルエンザに対する臨床効果はA型と比較して劣るため,吸入薬による治療が可能な児では吸入薬を選択する.しかし,吸入薬を処方する場合,より低年齢層では不十分な吸入により再発熱をきたしやすいため,ザナミビルとラニナミビルの選択にあたっては,十分に吸入コンプライアンスを検討する必要がある.内服困難例や吸入薬による治療困難例に対しては,ペラミビルを投与することを推奨する.特に入院例では静脈路を確保されている場合が多いため,目標投与量を確実に投与するためペラミビルを第一選択薬とすることができる.
Key words | インフルエンザ, オセルタミビル, ザナミビル, ラニナミビル, ペラミビル |
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小児感染免疫 27 (4):382─392,2016
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