─原著─
骨髄炎治療における抗菌薬内服スイッチの有用性の検討
磯貝 美穂子1), 森野 紗衣子3), 廣瀧 慎太郎1), 森川 和彦2), 伊藤 健太1), 堀越 裕歩1)
1)東京都立小児総合医療センター感染症科
2)同 臨床研究支援センター
〔〒183-8561 府中市武蔵台2-8-29〕
3)国立感染症研究所感染症疫学センター
当院における骨髄炎治療の抗菌薬内服スイッチプロトコールの有用性について検討した.内服スイッチの条件を,(1)症状の改善,(2)菌血症合併例では最低2週間の静注抗菌薬の投与,(3)内服が可能の3項目とし,2010年3月~2014年12月の骨髄炎患者46名中,新生児例を除く46名中45名(98%)がプロトコールに準じて内服スイッチが行われた.46名中26名(57%)で原因菌が同定され,そのうち81%がMSSAであった.内服薬は82%でセファレキシンを選択したが,副作用は認めず,薬剤変更を要した症例はなかった.全症例においてフォロー期間18.5カ月(中央値)での再燃・再発は認めず,当院の内服スイッチプロトコールは急性・慢性骨髄炎において有用と考えられた.
Key words | 骨髄炎, 黄色ブドウ球菌, 内服薬 |
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受付日 | 2015年5月13日 |
受理日 | 2015年11月11日 |
小児感染免疫 27 (4):297─303,2016
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