─原著─
肺炎球菌による眼窩蜂窩織炎,骨膜下膿瘍の治療後,同部位に再発性の眼窩周囲蜂窩織炎を発症した1例
村上 博昭1), 中川 憲夫1), 清水 恒広2), 黒田 啓史1)
1)京都市立病院小児科
2)同 感染症科
〔〒500-8717 岐阜市野一色4-6-1 岐阜県総合医療センター小児科〕
症例は8カ月の女児.7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)を3回接種後に,莢膜血清型15A肺炎球菌による眼窩蜂窩織炎,骨膜下膿瘍,菌血症に罹患し,治療終了後に同部位の眼窩周囲蜂窩織炎を繰り返し発症した.初回感染は生後8カ月時であり,抗菌薬投与と切開排膿術により計4週間の治療を行った後,MRIで炎症の改善を確認し終了とした.しかしその後,上気道炎発症に伴い,2度も同側の眼窩周囲蜂窩織炎に罹患し入院加療を行うこととなった.再発性の眼窩周囲蜂窩織炎は非常にまれであるが,本症例では同側の紙様板の破壊と副鼻腔炎が原因となっている可能性が示唆された.
Key words | 眼窩蜂窩織炎, 眼窩周囲蜂窩織炎, 侵襲性肺炎球菌感染症, ワクチン, 血清型 |
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受付日 | 2015年5月13日 |
受理日 | 2015年9月16日 |
小児感染免疫 27 (4):279─284,2016
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