─原著─
多施設における34症例のヒトパレコウイルス入院症例臨床像の検討
岸部 峻1), 山内 葉那子1), 磯貝 美穂子2), 福島 雅子2), 桜井 博殻2), 廣瀧 慎太郎2), 森野 紗衣子3), 伊藤 健太2), 岩瀬 愛恵4), 張 慶哲5), 笠井 正志6), 豊福 明和7), 堀越 裕歩2)
1)東京都立小児総合医療センター総合診療科
2)同 感染症科
〔〒183-8561 府中市武蔵台2-8-29〕
3)国立感染症研究所感染症疫学センター 4)仙台市立病院小児科 5)長野県立こども病院総合小児科 6)長野県立子ども病院小児集中治療科 7)横浜労災病院小児科
最近2年間(2013~2014年)国内4施設における小児のヒトパレコウイルス感染症34症例の臨床像を検討した.生後3カ月未満の新生児・早期乳児が32例(94%)と多く,循環不全徴候を32例(94%,平均持続期間2.2日),非特異的な中枢神経症状を23例(68%)認めた.皮疹(44%),腹部膨満(21%)などの症状は経過中に出現してくる傾向を認めた.また,概して血液検査は非特異的な所見のみであった.原因不明の発熱でかつ全身状態不良と判断する,生後3カ月未満の乳幼児入院症例においては,流行や臨床経過からヒトパレコウイルス感染症を鑑別疾患として考慮する必要がある.
Key words | ヒトパレコウイルス, 敗血症, 循環不全, RNAウイルス, 中枢神経感染症, human parechovirus, sepsis, circulatory failure, RNA virus, infection of the central nervous system |
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受付日 | 2015年5月13日 |
受理日 | 2015年9月1日 |
小児感染免疫 27 (4):257─264,2016
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