─原著─
7価小児用結合型肺炎球菌ワクチンとインフルエンザ菌b型ワクチン導入前後の肺炎・入院症例の検討
新橋 玲子1), 新妻 隆広1)
1)東京臨海病院小児科
〔〒134-0086 東京都江戸川区臨海町1-4-2〕
7価結合型肺炎球菌ワクチン(7-valent pneumococcal conjugate vaccine:PCV7)とインフルエンザ菌b型ワクチン(Hibワクチン)の肺炎に対する効果を調べるために,ワクチン導入前の2007~2008年と導入後の2012~2013年に肺炎の診断で当科に入院した症例を後方視的に検討した.総入院数に占める肺炎の減少(18.0%→14.4%,p=0.0051),総入院数に占める肺炎球菌が検出された肺炎の減少(4.7%→3.0%,p=0.012),入院期間の短縮(6.82日→6.31日,p=0.02)を認めた.肺炎入院数と入院期間の減少,肺炎球菌肺炎の減少を認めPCV7による肺炎に対する効果と考えられた.インフルエンザ菌肺炎の割合も減少したが有意差を認めず,局所感染症としての肺炎においてb型インフルエンザ菌の関与は少ないと考えられた.
Key words | 肺炎球菌肺炎, インフルエンザ菌肺炎, 予防接種, 小児 |
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受付日 | 2015年3月27日 |
受理日 | 2015年6月25日 |
小児感染免疫 27 (3):197─203,2015
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