─原著─
川崎病様症状中に水疱が出現しloop mediated isothermal amplification(LAMP)assayによって診断した水痘1女児例
越智 史博1,2), 吉川 哲史3), 河上 早苗1), 楠目 和代1,2), 田内 久道2), 石井 榮一2)
1)市立八幡浜総合病院小児科
〔〒796-8502 八幡浜市大平1-638〕
2)愛媛大学大学院医学系研究科小児科学
3)藤田保健衛生大学小児科学
典型的な臨床所見を呈する水痘症例の臨床診断は比較的容易であるが,非典型的な皮膚症状や多彩な随伴症状を呈する症例では,早期診断に難渋することがある.
症例は4歳女児.受診前日より続く発熱,皮疹,右眼球結膜充血を主訴に近医を受診し,精査加療のため当院を紹介された.来院時,苺舌,体幹および四肢に淡い紅斑を認め,四肢末端は浮腫状であった.また,手指に水疱を2個認めた.入院時の水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)-IgM抗体は陰性であったが,水疱拭い液からLAMP(loop-mediated isothermal amplification)法でVZV DNAを検出し,水痘と診断した.感染制御の観点からも水痘の早期診断の重要性は高く,水疱拭い液を用いたLAMP法による迅速検査が有用な早期診断ツールの一つとなり得る.
Key words | 水痘, 川崎病, 水痘帯状疱疹ウイルス, 水疱, VZV-IgM |
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受付日 | 2015年2月20日 |
受理日 | 2015年6月17日 |
小児感染免疫 27 (3):183─188,2015
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