─原著─
無莢膜型インフルエンザ菌による硬膜下膿瘍合併細菌性髄膜炎の1例
大西 智子1), 西屋 克己1), 嶋 緑倫1)
1)奈良県立医科大学小児科
〔〒634-8522 橿原市四条町840〕
基礎疾患のない5カ月の男児.発熱を主訴に来院し,細菌性髄膜炎と診断した.血液・髄液からは無莢膜型インフルエンザ菌(nontypeable H. influenzae:NTHi)が分離された.経過中硬膜下膿瘍を合併し,抗菌薬は合計6週間投与した.検索した限り,免疫不全や頭頸部奇形は認められなかった.NTHiによる侵襲性感染症はまれであると考えられてきたが,近年その報告例が散見されている.Hibワクチンの導入により今後NTHi感染症が顕在化する可能性があり,NTHiに対するさらなる認識と感染予防対策を検討する必要がある.
Key words | インフルエンザ菌, 無莢膜型, NTHi, 細菌性髄膜炎, 硬膜下膿瘍 |
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受付日 | 2014年10月27日 |
受理日 | 2015年3月16日 |
小児感染免疫 27 (2):107─112,2015
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