機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─第45回日本小児感染症学会教育講演─

免疫介在性神経疾患

高橋 幸利*,**,***, 森 達夫*, 大星 大観*, 束本 和紀*, 渡辺 陽和*, 吉富 晋作*, 山口 解冬*, 荒谷 葉溜*, 高山 留美子*

*国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
〔〒420-8688 静岡市葵区漆山886〕
**岐阜大学医学部小児病態学
***静岡県立大学薬学部


神経筋疾患には,免疫が一次的に関与して発病する疾患(一次性免疫介在疾患)と,発病後に二次的に免疫が関与して病態を修飾する疾患(二次性免疫介在疾患)があると考える.前者において関与する免疫には,インフルエンザ脳症などの自然免疫と,非ヘルペス性急性辺縁系脳炎(non-herpetic acute limbic encephalitis:NHALE)などの獲得免疫がある.
NHALEは,辺縁系症状と呼ばれる特徴的な症状で発病し,単純ヘルペスウイルスによる脳炎が否定できる急性脳炎で,NMDA型グルタミン酸受容体(N-methyl-D-aspartate-type glutamate receptor:NMDA型GluR)抗体が中核的な役割を果たしていると考えられている.NHALE発病数年前(前駆期)からNMDA型GluR抗体産生が徐々に始まり,先行症状期を経て発病すると筆者らは考えている.先行症状期には無菌性髄膜炎による不明熱,リンパ球減少,血小板減少などがみられ,早期診断・発病予防につながる可能性がある.NHALEの診断には,髄液の細胞数,蛋白,IgGの増加に加えて,髄液NMDA型GluR抗体高値が参考となる.MRI異常は30~40%にみられ,記憶認知の後遺症が残りやすい.筆者らの厚生労働科学研究などにより,NHALE診断スキームが整い周知され,早期診断治療が可能となり,急性期入院日数が近年短縮してきている.

Key words nonherpetic acute limbic encephalitis, NMDA-type glutamate receptor, antibodies to GluN2B, aseptic meningitis, 急性期入院日数

小児感染免疫 26 (3):403─414,2014

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