─第45回日本小児感染症学会教育講演─
炎症性サイトカインから考える小児疾患の病態形成
横田 俊平*
*横浜市立大学大学院医学研究科発生成育小児医療学
〔〒236-0004 横浜市金沢区福浦3-9〕
感染に対する生体反応は,まず炎症を惹起して感染一般に対し網羅的に対応し,次いで免疫反応により特異的対応を行いつつ免疫学的記憶を刻んで終息していく.炎症とは,外因子に対して生体のホメオスターシスを維持する生理的機能といえる.炎症は,臨床的には発熱,だるさ,食思不振,局所の発赤,熱感,腫脹,疼痛と捉えられ,検査値ではCRP,アミロイドAの上昇に示されるが,すべて炎症性サイトカインで説明される.炎症性サイトカインは厳密な制御を受けてこの機能を発揮しているが,ときに過剰に産生されるために病態形成に至ることがあり,一方,炎症性サイトカイン産生メカニズムにかかわる蛋白,酵素の遺伝子変異により炎症が惹起できず,感染死する疾患も発見されている.過剰な炎症性サイトカインにより形成される疾患に対して,個々の先導的サイトカインに対するモノクローナル抗体の投与により,炎症全体を終息に導くことができるようになった.川崎病,全身型若年性特発性関節炎,そしてクリオピリン関連周期性発熱症候群がそれである.今後は,先導的サイトカイン産生のメカニズムを解明して,その阻害を図る治療法の樹立を望みたい.
| Key words | 感染症, 炎症性サイトカイン, サイトカイン・ストーム |
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小児感染免疫 26 (2):267─278,2014
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