機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第26巻第2号目次 > 抄録

─原著─

無莢膜型インフルエンザ菌により重症肺炎を起こした生後1カ月の女児例

宇野 浩史1), 大熊 智帆1), 藤原 倫昌1), 喜多村 哲朗1)

1)日本鋼管福山病院小児科
〔〒721-0927 福山市大門町津之下1844〕


症例は1カ月の女児.受診の前日より活気不良を呈しており,本院受診時にはすでに呼吸不全の状態であった.経口挿管したところ,気管チューブから膿性分泌物が多量に吸引され,培養などにより無莢膜型インフルエンザ菌(nontypable Haemophilus influenzae:NTHi)と同定した.Cephotaximeおよびmeropenemの投与で速やかに症状は改善し,入院10日で退院となった.種々のワクチンが導入されているなか,有効なワクチンをもたないNTHi感染症の動向には今後注意する必要がある.

Key words 無莢膜型インフルエンザ菌, BLNAR, 肺炎
受付日 2013年11月5日
受理日 2014年2月12日

小児感染免疫 26 (2):207─211,2014

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