機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第26巻第1号目次 > 抄録

─原著─

当院で経験した急性脳症の原因病原体について

奥野 英雄1), 改田 厚2), 天羽 清子1), 井上 岳司3), 石川 順一1), 外川 正生1), 塩見 正司4)

1)大阪市立総合医療センター小児救急科
2)大阪市立環境科学研究所微生物保健グループ
3)大阪市立総合医療センター小児神経内科
〔〒534-0021 大阪市都島区都島本通2-13-22〕
4)愛染橋病院小児科


当院で経験した急性脳症93例を対象に原因病原体を後方視的に検討した.病原体はインフルエンザウイルス(Flu),ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)が全体的に多く認められたが,脳症の病型分類ごとに差が認められた.また,呼吸器ウイルス遺伝子検査やヘルペスウイルス属のreal-time PCRを用いた積極的な検索によりFluやHHV-6以外にさまざまな病原体が脳症の原因となることが示された.今後,脳症の病原体検索のため全国規模のネットワーク構築が求められる.

Key words 急性脳症, ヒトヘルペスウイルス6型, 原因病原体, けいれん重積型急性脳症, 出血性ショック脳症症候群
受付日 2013年6月10日
受理日 2014年1月29日

小児感染免疫 26 (1):41─47,2014

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