─原著─
小児の散発性下痢症から分離され,O群血清型分類が可能であった大腸菌の病原遺伝子保有率の評価
菊田 英明*, 涌嶋 三津子**, 西川 禎一**
*特別医療法人とこはる東栄病院小児科
〔〒007-0841 札幌市東区北41条東16丁目3-14〕
**大阪市立大学大学院生活科学研究科
小児の散発性下痢症から検出された大腸菌でO群血清型分類が可能であった98検体の大腸菌株について病原遺伝子の保有状況をPCR法により検討した.16株(16.3%)が病原遺伝子を保有し,aggR遺伝子を保有する腸管凝集接着性大腸菌(EAEC)は8.2%,eae遺伝子を保有する腸管病原性大腸菌(EPEC)は7.1%,astA遺伝子のみを保有するEAEC耐熱性毒素遺伝子保有大腸菌(EAST1EC)は1.0%であった.O群分類のみによる下痢原性大腸菌の判断には十分注意が必要である.
Key words | 散発性下痢症, 病原性大腸菌, O群血清型, 病原遺伝子 |
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受付日 | 2013年7月11日 |
受理日 | 2013年8月28日 |
小児感染免疫 25 (4):413─419,2014
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