機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

Extended-spectrum β-lactamase産生菌による尿路感染症の臨床的解析

古瀬 昭夫1), 永野 幸治1), 駒木 智1), 持永 華江1), 齋藤 未央1)

1)熊本中央病院小児科
〔〒861-8520 熊本市東区長嶺南2-1-1(熊本赤十字病院小児科)〕


Extended-spectrum β-lactamase(ESBL)産生菌による感染症の蔓延が問題となっている.われわれは,単一施設におけるESBL産生菌によるurinary tract infection(UTI)の発生状況と基礎疾患の有無について解析した.当科で経験したESBL産生菌によるUTIは25症例,検出されたESBL産生菌は30株であった.30株の内訳は,Escherichia coli 28株,Klebsiella pneumoniae 2株であった.先天性腎・尿路奇形の基礎疾患の検索を行ったところ14例(56%)にvesicoureteral reflux(VUR)や水腎症を認めた.12例(48%)が抗菌薬の予防投与中であった.ESBL産生菌検出時は,抗菌薬の中止・変更,手術などへの治療法の早めの変更が必要と思われた.

Key words ESBL産生菌, 尿路感染症, 先天性腎尿路奇形, 予防投与
受付日 2012年10月11日
受理日 2013年8月5日

小児感染免疫 25 (4):403─406,2014

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