機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

同時期にHaemophilus influenzae type b髄膜炎を発症した一卵性双生児の兄弟例

森 俊彦1), 白石 真大1), 星野 恵美子1), 黒岩 由紀1)

1)NTT東日本札幌病院小児科
〔〒060-0061 札幌市中央区南1条西15丁目〕


同時期にHaemophilus influenzae type b(Hib)髄膜炎を発症した一卵性双生児の1歳兄弟例を経験した.兄は発熱,嘔吐,けいれんで発症し,弟は兄発症後,Hibワクチンや抗菌薬の予防投与を受けておらず,8日後に髄膜炎を発症した.In vitroではceftriaxone(CTRX)に感受性であったが,臨床効果は不十分でmeropenem(MEPM)を併用し2人とも後遺症なく回復した.Hib髄膜炎は今後,ワクチン効果により激減することが予想されるが,診断・治療が遅れれば重篤な後遺症を残す疾患であり,乳児期早期からのHibワクチン接種の徹底は重要である.

Key words Haemophilus influenzae type b, 髄膜炎, 一卵性双生児, Hibワクチン
受付日 2013年3月18日
受理日 2013年7月16日

小児感染免疫 25 (3):297─302,2013

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