─原著─
菌血症を伴った黄色ブドウ球菌による化膿性耳下腺炎・膿瘍の女児例―わが国小児例のまとめ―
森田 華奈子1), 小張 真吾1), 粟生 耕太1), 磯崎 淳1)
1)横浜市立みなと赤十字病院小児科
〔〒231-8682 横浜市中区新山下3-12-1〕
症例は生来健康な11歳5カ月の女児.左顎下の疼痛と顔面腫脹を主訴に受診し,理学所見と頭頸部造影CTより,膿瘍形成を伴った化膿性耳下腺炎と診断した.ステノン管の培養からはS. aureusとS. viridansが分離・同定され,同じ感受性のS. aureusが血液培養からも分離された.本症例は重篤な合併症なく,抗菌薬投与にて軽快した.化膿性耳下腺炎は比較的まれな疾患でありわが国における実態は明らかでない.わが国報告例のまとめでは年齢に偏りはなく,本症例のようにS. aureusが起炎菌として多かった.菌血症を伴う例はまれではあるが,血液培養を採取することが重要であると考えた.
Key words | 化膿性耳下腺炎, 黄色ブドウ球菌, 菌血症 |
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受付日 | 2013年3月27日 |
受理日 | 2013年6月11日 |
小児感染免疫 25 (3):275─280,2013
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