機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

Streptococcus intermediusによる多発性脳膿瘍の3歳女児例

藤原 祐1), 成相 昭吉1), 岩澤 堅太郎1), 鈴木 紗弓1), 内村 暢1)

1)横浜南共済病院小児科
〔〒236-0037 横浜市金沢区六浦東1-21-1〕


Streptococcus intermediusS. intermedius)は,oral StreptococciのStreptococcus anginosusグループに属すヒトの口腔内に常在するグラム陽性球菌であるが,他のoral Streptococciとは異なり,脳や肝臓において膿瘍を形成する特性をもつ.今回,われわれは前歯損傷を契機にS. intermediusによる多発性脳膿瘍を発症した3歳女児例を経験した.肺炎を併発していたため診断・加療の焦点が散逸し,頭痛が増悪し寝ていることが多くなって発症から3週間を経て頭部造影CTと脳脊髄液の培養により,ようやく診断に至った.抗菌薬療法と膿瘍ドレナージにより良好な結果を得た.

Key words 脳膿瘍, 画像診断, 多発性, 培養検査, Streptococcus intermedius
受付日 2013年3月12日
受理日 2013年6月10日

小児感染免疫 25 (3):269─273,2013

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