─原著─
血清型11A/Eによる新生児肺炎球菌感染症の1例
成相 昭吉1), 内村 暢1), 金高 太一1)
1)横浜南共済病院小児科
〔〒236-0037 横浜市金沢区六浦東1-21-1〕
前期破水ののち経腟分娩にて出生し,新生児仮死・呼吸障害を認めたため入院となった男児に培養検査施行し,アンピシリン投与を開始した.翌日日齢1に,上咽頭・皮膚・便から肺炎球菌が検出されたため髄液検査を施行したところ,細胞数正常,グラム染色陰性,スライド凝集法による肺炎球菌莢膜多糖抗原検索は陰性であったが,BinaxNOW®肺炎球菌が陽性と判明し,肺炎球菌性髄膜炎と診断した.経過は良好で,後日PCR法にて髄液のlytA遺伝子検索を行ったところ陰性であった.母親から肺炎球菌は検出されなかったが,尿BinaxNOW®は陽性であった.また,本症例と2歳兄の上咽頭から検出された肺炎球菌はともにペニシリン高感受性,血清型11A/E,遺伝子型99で同一であった.
Key words | 新生児肺炎球菌感染症, グラム染色, 莢膜多糖抗原キット, 血清型, 遺伝子型 |
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受付日 | 2013年4月4日 |
受理日 | 2013年6月6日 |
小児感染免疫 25 (3):263─268,2013
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