機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第25巻第2号目次 > 抄録

─原著─

トスフロキサシントシル酸塩水和物(オゼックス®)の過量投与中に発症した腎障害の一例

松村 真理子1,2), 池内 由果1), 吉澤 千景1), 須永 康夫1), 田代 雅彦1) 小林 靖子2), 滝沢 琢己2), 荒川 浩一2)

1)社会保険群馬中央総合病院小児科
〔〒371-0025 前橋市紅雲町1-7-13〕
2)群馬大学大学院医学系研究科小児科学


トスフロキサシントシル酸塩水和物(TFLX)の過量投与にて腎障害を発症した9歳男児例を経験した.擦過傷に対してTFLX 450 mg/日(16.6 mg/kg/日)が処方され,翌日より嘔吐,腹痛,蛋白尿・血尿,軽度腎機能低下,腎腫大をきたした.TFLXは経口ニューキノロン抗菌薬として小児適応が追加され使用例が増加しているが,体重30 kg前後の小児では血中濃度が上昇しやすいため投与量には十分注意を払うべきである.

Key words 小児, トスフロキサシントシル酸塩水和物, 薬剤性腎障害, 蛋白尿, 血尿, 腎機能低下
受付日 2012年9月26日
受理日 2013年3月5日

小児感染免疫 25 (2):145─149,2013

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