機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第25巻第1号目次 > 抄録

─原著─

Staphylococcal enterotoxin A(SEA)陽性Methicillin sensitive Staphylococcus aureus(MSSA)により毒素性ショック症候群をきたした染色体異常を有する一例

木下 典子1,2), 林 安里1), 成宮 正朗1)

1)長浜赤十字病院小児科
2)現 高島市民病院小児科
〔〒520-1121 高島市勝野1667〕


染色体異常を有する16歳若年者の毒素性ショック症候群(toxic shock syndrome:TSS)を経験した.血液培養から,わが国小児例では報告がまれなSEA陽性のMSSAによるものと診断した.高熱,下痢にて受診し,末梢循環不全,急性腎不全,皮膚紅斑および検査成績からTSSを疑い,治療は全身管理と抗菌薬投与で軽快した.重度心身障害児において,自覚症状がわかりにくい面があり,高熱で全身状態不良時には常にTSSを念頭に置く必要がある.

Key words toxic shock syndrome, enterotoxin A, 染色体異常, MSSA
受付日 2012年10月1日
受理日 2013年1月30日

小児感染免疫 25 (1):29─33,2013

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