─原著─
突発性発疹の減少と高年齢化
鳥越 貞義1), 渡辺 正博2), 山田 雅夫3)
1)アクエア・メディカル・ステーション
〔〒510-8034 四日市市大矢知町1067-1〕
2)すずかこどもクリニック
3)岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病原ウイルス学
突発性発疹の発生状況の変化をみるために1992~2011年の20年間で和歌山県新宮市と三重県四日市市の小児科にて3期間に分けて比較検討をした.比較検討項目は突発性発疹の発症月齢分布,年齢別の罹患率およびヒトヘルペスウイルス6(HHV-6),ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)の抗体とした.突発性発疹の平均罹患年齢は9.3±4.2カ月,13.0±6.1カ月,14.6±7.6カ月と次第に有意に上昇していた.また発症数の減少も示唆され,年齢別突発性発疹罹患率も次第に減少していた.HHV-6,HHV-7の抗体調査は2期間に分けてのみ実施し,6~11カ月のHHV-6の抗体陽性率が1992~1996年の新宮市の調査では53%であったのが,2007~2011年の三重県では21%と有意に減少していた(p<0.05).HHV-6の感染時期の遅れが突発性発疹の高年齢化の主な原因と思われた.
Key words | 突発性発疹, 高年齢化, ヒトヘルペスウイルス6, HHV-6, ヒトヘルペスウイルス7, HHV-7 |
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受付日 | 2012年9月26日 |
受理日 | 2012年12月11日 |
小児感染免疫 25 (1):3─8,2013
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