─原著─

隠蔽性乳様突起炎に合併した脳静脈血栓症の1例

落合　由加利^1,2）, 松村　真理子^1,2）, 吉澤　千景^1,2, 池内　由果^2）, 須永　康夫^2）, 田代　雅彦^2）, 滝沢　琢己^1）, 荒川　浩一^1）

1）群馬大学大学院医学系研究科小児科教室
〔〒371-8511 前橋市昭和町3-39-15〕
2）社会保険群馬中央総合病院小児科

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隠蔽性乳様突起炎に脳静脈血栓症を続発し，脳圧亢進症状を呈する耳性水頭症と考えられた1例を経験した．先行する中耳炎症状が全くなく，嘔吐，頭痛などの脳圧亢進症状から頭蓋内病変を疑い頭部の画像検査を行い乳様突起炎，および脳静脈血栓症と診断した．髄液所見がなく，外転神経麻痺以外の脳神経所見がないこと，視神経乳頭浮腫があり頭蓋内圧の亢進が認められることから耳性水頭症と診断した．

Key words	脳静脈血栓症, 隠蔽性中耳炎, 耳性水頭症
受付日	2012年7月11日
受理日	2012年11月30日

小児感染免疫 24 (4)：451─455,2013