─原著─
小児呼吸器感染症ガイドライン2007上の最重症肺炎に対するわが国小児集中治療領域における注射用抗菌薬使用状況
笠井 正志1), 尾内 一信2), 志馬 伸朗3), 平井 克樹4), 荒畑 幸絵5), 櫻井 淑男6), 吉本 昭7), 国貞 佳世8)
1)長野県立こども病院総合小児科・感染制御室
〔〒399-8288 安曇野市豊科3100〕
2)川崎医科大学小児科
3)京都府立医科大学集中治療部・感染制御部
4)熊本赤十字病院小児科
5)国保旭中央病院小児科
6)埼玉医科大学総合医療センター小児科
7)奈良県立医科大学感染症センター
8)倉敷中央病院小児科
わが国の小児重症肺炎の抗菌療法に関する知見を得るために,11の小児集中治療室を対象に後方視的調査を行い,初期抗菌薬の使用実態,死亡率を検討した.市中肺炎43例,院内肺炎40例で,死亡率は市中肺炎1例(1/43;2.3%),院内肺炎6例(6/40;15%)であった.市中肺炎,院内肺炎とも最も使用されていた抗菌薬はampicillin sulbactum(SBT/ABPC)であった.最重症肺炎83例に対して,小児呼吸器感染症ガイドライン2007(GL 2007)の推奨通りにカルバペネム系薬を初期抗菌薬として処方していたのは7例(7/83;8.4%)であった.ガイドラインを遵守した場合の死亡率は1例(14%)であり,非遵守の6例(6/83;7.2%)と統計学的差異はなかった(p=0.9053).
Key words | ガイドライン, 重症肺炎, 抗菌薬適正使用, カルバペネム系抗菌薬 |
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受付日 | 2012年8月1日 |
受理日 | 2012年11月20日 |
小児感染免疫 24 (4):443─449,2013
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