機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第24巻第4号目次 > 抄録

─原著─

小児科領域におけるノロウイルス抗原迅速診断薬「クイックナビTM-ノロ」の使用経験および臨床的有用性に関する検討

市川 万邦1), 沼崎 啓1)

1)国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科医療福祉国際協力学分野国際感染症学領域
〔〒329-3763 那須塩原市井口537-3〕


ノロウイルス感染症の迅速診断として迅速抗原検出キットが開発され,有用な手段となっている.本試験では乳幼児の直腸拭い液検体による「クイックナビTM-ノロ」の測定結果をreal time RT-PCR法での結果と比較し感度91.7%,特異度57.1%,全体一致率69.7%の成績を得て臨床的有用性が確認された.しかし本診断薬の適用検体種は糞便のみであり,乳幼児では経直腸的な採取しかできない場合も多く,直腸拭い液検体を対象とする迅速診断薬の開発が望まれる.

Key words ノロウイルス, 迅速抗原検出キット, イムノクロマト法, 直腸拭い液, 急性胃腸炎
受付日 2012年1月18日
受理日 2012年8月7日

小児感染免疫 24 (4):417─421,2013

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