─原著─
生下時の皮疹が診断の契機となった先天性カンジダ症の2例
太田 栄治1,2), 西間 大祐1,2), 瀬戸上 貴資1,2), 木下 竜太郎1,2), 廣瀬 伸一1,2)
1)福岡大学病院総合周産期母子医療センター新生児部門
2)福岡大学医学部小児科
〔〒814-0180 福岡市城南区七隈7-45-1〕
症例1は,日齢4の男児.在胎39週1日に緊急帝王切開で出生した.出生体重4,022 g.出生直後からみられた全身の紅色小丘疹が次第に増強したため,日齢4に当センターへ新生児搬送となった.皮膚所見と母体のCandida albicans保菌歴から先天カンジダ症が疑われたが,血液検査や胸部X線に異常所見はなかった.成熟児であり,口腔および皮膚のみでCandida albicansが検出されたことから,先天性皮膚カンジダ症と診断し,抗真菌薬の局所塗布により軽快した.
症例2は,日齢0の女児.在胎30週6日に経腟分娩で出生した.出生体重1,782 g.出生直後の皮膚所見と母体のカンジダ腟炎治療歴から先天カンジダ症が疑われ,血液検査で著明な白血球増多と胸部X線で肺炎像がみられた.早産児であり,気管分泌物からCandida albicansが検出されたことから,先天性全身性カンジダ症と診断し,抗真菌薬の経静脈投与により軽快した.
Key words | 真菌, 低出生体重児, 好酸球増多, ホスフルコナゾール |
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受付日 | 2012年3月6日 |
受理日 | 2012年7月2日 |
小児感染免疫 24 (3):279─284,2012
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