─原著─
Klebsiella pneumoniae血清型K2による肝膿瘍の1例
吉村 歩1), 松林 正1), 松林 里絵1)
1)聖隷浜松病院小児科
〔〒430-8538 浜松市中区住吉2-12-12〕
生来健康な7歳男児が発熱のため受診し,血液検査・画像検査より肝膿瘍と診断した.経皮的膿瘍ドレナージおよび全身的抗菌薬投与を開始したが臨床症状の改善が乏しく,下腹部痛が増強したため,精査を進めたところ,急性虫垂炎の合併を認めた.虫垂切除後,臨床症状は徐々に改善した.肝膿瘍の培養からK. pneumoniae血清型K2が検出された.感染経路として,急性虫垂炎を起こしたK. pneumoniaeが門脈経由で肝に達した二次感染が推測された.小児の肝膿瘍の起因菌ではK. pneumoniaeの報告例は少ないが,注意を払う必要がある.
| Key words | 小児, 肝膿瘍, Klebsiella pneumoniae, 血清型K2 |
|---|---|
| 受付日 | 2012年3月23日 |
| 受理日 | 2012年6月15日 |
小児感染免疫 24 (3):274─278,2012
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