─原著─
けいれん,DIC,手指壊疽性変化,僧帽弁腱索断裂,一過性冠動脈病変合併の重症川崎病の1乳児例
石川 順一1), 鹿間 芳明1), 赤城 邦彦1)
1)神奈川県立こども医療センター感染免疫科
〔〒232-8555 横浜市南区六ツ川2-138-4〕
発熱と強い炎症反応が約4週間続き,けいれん,DIC,手指壊疽性変化,僧帽弁腱索断裂を合併した2カ月乳児の重症川崎病の一例を経験した.大量γグロブリンの反復静注でも炎症反応の改善はみられず,ステロイドパルス,血漿交換を行っても炎症反応は一過性の低下はあるものの持続した.経過中に真菌血症を合併した.第27病日に僧帽弁腱索断裂に伴う心不全を起こしたが,同日の大量γグロブリン静注によって炎症反応が改善し,外科的治療を必要としなかった.冠動脈は第27病日から一過性に軽度の拡張をみたが,約10カ月後には軽快した.治療の指標としてはリアルタイムの血清IL-6値測定が有用であった.川崎病に手指壊疽性変化,僧帽弁腱索断裂を合併する症例を文献的に検討するとともに,川崎病の治療法についても言及した.
Key words | 川崎病, けいれん, 手指壊疽性変化, 僧帽弁腱索断裂, IL-6, γグロブリン療法, 血漿交換 |
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受付日 | 2011年3月29日 |
受理日 | 2012年2月10日 |
小児感染免疫 24 (2):163─170,2012
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