─原著─
PFAPA(periodic fever, aphthous stomatitis, pharyngitis and adenitis)症候群22例の臨床症状および治療に関する検討
田中 理砂1), 本間 なずな1), 高野 忠将1), 大石 勉1), 城 宏輔1)
1)埼玉県立小児医療センター感染免疫科
〔〒339-8551 さいたま市岩槻区馬込2100〕
PFAPA(periodic fever, aphthous stomatitis, pharyngitis and adenitis)症候群は周期性発熱症候群の一つであるが,原因遺伝子の同定はなされておらず,発熱の原因も明らかでない.
当科で経験したPFAPA症例22例について発熱発作時の血清サイトカイン濃度を測定し,代表的な小児期血管炎症候群である川崎病における血清サイトカイン産生と比較検討した.
PFAPA症例では健常対照と比べてIL-6のみの産生増加が認められた.TNF-αの増加はごく軽微であった.一方川崎病では,IL-6に加えてTNF-αやIL-10の著明な産生増加も認められた.サイトカイン産生に関連するとされるリンパ球のCD4,CD8,CD19陽性細胞比率やHLA-DR陽性細胞比率は,健常対照や川崎病患者と比べて明らかな相違は認めなかった.
PFAPAの主要症状である発熱や倦怠感の出現とIL-6血中濃度の上昇との関連が強く示唆された.PFAPAにおけるIL-6産生機序の解明は今後の課題である.またH2 blockerは患者の70%に有効で,積極的に投与してもよいと考えられた.PFAPAの発熱発作のいかなるところに効果を発揮するのか,そのメカニズムを明らかにすることが重要である.
Key words | PFAPA, 自己炎症症候群, autoinflammatory diseases, H2ブロッカー |
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受付日 | 2011年9月7日 |
受理日 | 2011年12月20日 |
小児感染免疫 24 (2):155─161,2012
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