─原著─
肺炎球菌血清型15Aによる重症感染症を2回発症した14歳重症心身障害女児例
成相 昭吉1), 金高 太一1)
1)横浜南共済病院小児科
〔〒236-0037 横浜市金沢区六浦東1-21-1〕
2カ月の間に肺炎球菌による敗血症と肺炎を繰り返した14歳重症心身障害女児を経験した.スライド凝集法にて検出株の血清型はいずれも15と判明し,血清型15Bを含む23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV23)を接種した.しかし,のちに血清型は莢膜膨化法によりいずれも15Aと特定された.
7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)とPPSV23の2つの肺炎球菌ワクチンの接種が可能となり,肺炎球菌感染症の疫学を知るためには莢膜膨化法による血清型の特定が必要と考えられた.
また,重症心身障害児の侵襲性感染症や肺炎の原因菌として肺炎球菌は重要と考えられ,重症心身障害児を肺炎球菌感染症から守るためのPCV7とPPSV23によるワクチン接種指針が作成されることが望まれる.
Key words | 重症心身障害児, 肺炎球菌, 血清型, 肺炎球菌ワクチン |
---|---|
受付日 | 2011年9月15日 |
受理日 | 2011年12月14日 |
小児感染免疫 24 (2):143─148,2012
- 第36巻
- 第35巻
- 第34巻
- 第33巻
- 第32巻
- 第31巻
- 第30巻
- 第29巻
- 第28巻
- 第27巻
- 第26巻
- 第25巻
- 第24巻
- 第23巻
- 第22巻
- 第21巻
- 第20巻
- 第19巻
- 第18巻