機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第24巻第2号目次 > 抄録

─原著─

右母指ひょう疽の1例

五十嵐 麻依子1), 内藤 朋巳1), 及川 奈央1), 中島 泰子1), 友利 久哉1), 西浦 樹里1), 大山 昇一1)

1)済生会川口総合病院小児科
〔〒332-8558 川口市西川口5-11-5〕


軟部組織感染症は深部の感染症であるほど診断,治療の遅れが致命的となり,迅速な外科的処置や適切な抗菌薬投与が必要となる.今回,基礎疾患がなく,受傷機転も不明な右母指嫌気性蜂窩織炎の1歳9カ月,女児例を経験した.右母指の一部は黒色化しており,患部のX線写真ではガス像も認めた.ガス産生性軟部組織感染症は初診の時点で臨床的に確定診断をつけることは難しいが,なかでも致命的疾患を疑った場合には躊躇することなく患部を開放性にするなどの適切な処置を講ずることが重要と考えられた.

Key words ひょう疽, 蜂窩織炎, Peptostreptococcus, ガス産生性
受付日 2011年6月6日
受理日 2011年12月12日

小児感染免疫 24 (2):133─137,2012

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