機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

化膿性髄膜炎後硬膜下水腫に対するステロイド治療が有効であった1症例

親里 嘉展1), 西山 敦史1), 小寺 孝幸1), 中川 温子1), 萩原 優子1)

1)加古川西市民病院小児科
〔〒675-8611 加古川市米田町平津384-1〕


硬膜下液体貯留(SDE)は化膿性髄膜炎の合併症の一つだが,基本的には積極的治療を行わない.難治化した場合には治療を要するが,治療法は確立していない.今回われわれは,穿刺ドレナージやクロラムフェニコールなどの抗菌薬治療では改善しないSDEに対して,ステロイド治療が有効であった症例を経験した.サイトカインを測定し,SDEが非細菌性高サイトカイン性炎症状態にあることも示した.ステロイドはSDE治療に有用であると考えられた.

Key words 化膿性髄膜炎, ステロイド, 炎症性サイトカイン, 穿刺ドレナージ, 硬膜下水腫
受付日 2011年7月1日
受理日 2011年11月22日

小児感染免疫 24 (1):35─40,2012

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