─原著─
脳病変を契機に診断に至ったウエステルマン肺吸虫による脳肺吸虫症の1例
鶴岡 純一郎1,2), 三宅 哲雄1,2), 宮地 悠輔1,2), 中村 幸嗣2), 橋本 修二1,2), 立山 悟志2), 栗原 八千代1,2), 徳竹 忠臣2), 石田 明3,4), 駒瀬 裕子3,4), 瀧 正志1,2), 加藤 達夫2,5)
1)聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院小児科
〔〒241-0811 横浜市旭区矢指町1197-1〕
2)聖マリアンナ医科大学小児科
3)聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院呼吸器内科
4)聖マリアンナ医科大学呼吸器内科
5)国立成育医療研究センター
症例は7歳の女児.脳腫瘤性病変を認め,脳腫瘍を疑い開頭摘出術を施行したが,病理組織像は脳腫瘍に合致せず,最終的に脳病変を伴ったウエステルマン肺吸虫症の免疫血清ELISA診断に至った.脳肺吸虫症は頭痛,嘔吐,けいれんなど脳腫瘍に似た症状や画像所見を呈するため,脳腫瘤性病変を認めた際の鑑別疾患として考慮すべきである.末梢血好酸球数,血清IgE値に注目し,摂食歴,渡航歴などを含めた詳細な病歴聴取が重要となる.
Key words | ウエステルマン肺吸虫症, 脳肺吸虫症, 脳腫瘍, 高IgE, 好酸球増多 |
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受付日 | 2011年5月19日 |
受理日 | 2011年9月22日 |
小児感染免疫 24 (1):19─23,2012
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