─原著─
小児の新型インフルエンザ感染の臨床疫学的特徴
上野 正浩1,3), 久手 英二2), 杉田 稔3)
1)蓮田一心会病院小児科
〔〒349-0123 蓮田市本町3-17〕
2)くでこどもクリニック
3)東邦大学医学部衛生学教室
小児の新型インフルエンザ感染における臨床上の特徴,特に抗インフルエンザウイルス薬投与による総発熱時間の短縮などについて明らかにするため疫学的解析を行い検討した.解析対象はすべて,数日以内に解熱した軽症例であり,入院加療などの対象となった重症者はいなかった.抗インフルエンザウイルス薬の投与開始から平均21時間ほどで速やかに解熱を認め,かつ48時間を超えて発熱が遷延した症例はいなかった.臨床症状では咳嗽が最も多く(84%),消化器症状を呈する者は9~14%程度であった.抗インフルエンザウイルス薬の投与による総発熱時間は,男児に比して女児のほうが平均で6.6時間ほど,有意に短縮した(p=0.015).咳嗽を有する患児のほうが咳嗽を認めない患児よりも総発熱時間が平均で9.3時間ほど,有意に延長した(p=0.012).発熱から抗インフルエンザウイルス薬初回投与時までの時間が短時間であれば,総発熱時間が平均で15.3時間ほど,有意に短縮した(p<0.001).これらの結果は,新型インフルエンザ罹患児に対する臨床的な,特に治療方針の決定にあたり有用な情報であると思われた.
| Key words | 新型インフルエンザ, 軽症例, 抗インフルエンザウイルス薬, 有熱期間, 解熱時間 |
|---|---|
| 受付日 | 2010年1月25日 |
| 受理日 | 2010年8月23日 |
小児感染免疫 22 (4):349─355,2010
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