─原著─
重症心身障害児に発症した口腔内常在菌による膿胸の1例
稲毛 英介1,2), 石田 明日香1), 高安 博史1), 小松 充孝1), 松原 知代1), 大日方 薫1), 清水 俊明2)
1)順天堂大学医学部附属浦安病院小児科
2)順天堂大学医学部小児科学教室
〔〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1〕
症例は脳性麻痺の5歳8カ月女児.1カ月間に及ぶ咳嗽と4日間の発熱を主訴に来院した.胸部所見では打診上左側に濁音があり,聴診では左呼吸音減弱と両側湿性ラ音を認めた.血液検査では炎症反応高値であり,胸部X線およびCTにて左膿胸を示唆する所見を認めた.抗菌薬投与が開始されたが改善なく胸腔ドレナージを施行.胸水培養から口腔内常在菌が検出された.胸腔内洗浄とウロキナーゼ注入療法を行ったところ軽快した.本症例は重症心身障害児であり,遷延する咳嗽と嚥下機能障害による誤嚥をきたし膿胸を発症したと考えられた.
Key words | 膿胸, 口腔内常在菌, 重症心身障害児, 胸腔ドレナージ |
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受付日 | 2010年2月5日 |
受理日 | 2010年6月14日 |
小児感染免疫 22 (3):227─232,2010
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