機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第22巻第3号目次 > 抄録

─原著─

Yersinia pseudotuberculosis感染症の同胞例:急性脳症・腎不全をきたした弟および川崎病症状を呈した姉

新妻 隆広1), 大日方 薫1,2), 松永 展明1), 鎌田 彩子1), 木下 恵司1)

1)越谷市立病院小児科
〔〒343-8577 越谷市東越谷10-47-1〕
2)順天堂大学医学部附属浦安病院小児科


Y. pseudotuberculosisY. pstb)は胃腸炎のみならず急性間質性腎炎,川崎病症状など,多彩な臨床症状を呈する.今回Y. pstb感染によって異なる臨床像を呈した姉弟例を経験した.5歳の弟は発熱・腹痛・水様下痢に加え,軽度意識障害がみられ入院.急性脳症および非乏尿性腎不全の合併を認めた.7歳の姉は川崎病主要5症状を認めたが,ガンマグロブリン投与は行わず抗菌薬のみで軽快した.腹部超音波検査では姉の回腸末端部にリンパ節腫脹像が描出された.姉弟とも便中よりY. pstbが分離培養され,Y. pstb血清抗体の有意な上昇を認めた.

Key words Y. pseudotuberculosis, 急性腎不全, 川崎病急性脳症, 抗YPM抗体
受付日 2009年10月9日
受理日 2010年4月12日

小児感染免疫 22 (3):211─216,2010

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