機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第22巻第3号目次 > 抄録

─原著─

Extended-spectrum β-lactamase産生Escherichia coliによる尿路感染症を反復した乳児例

正田 哲雄1), 磯崎 淳1)

1)横浜市立みなと赤十字病院小児科
〔〒231-8682 横浜市中区新山下3-12-1〕


生来健康な生後3カ月の女児.発熱を主訴に救急外来を受診し,血液検査にて末梢血白血球数の上昇,尿検査にて膿尿を認め,尿路感染症と診断して入院した.セフォタキシムとアンピシリンで加療を開始したが,入院時の尿培養(カテーテル尿)からextended-spectrum β-lactamase(ESBL)産生Escherichia coli(遺伝子型:CTX-M-1グループ)が分離され,感受性を参考にファロペネムへ変更し退院した.後日に施行した排尿時膀胱尿道造影検査では,右にGrade Ⅲの膀胱尿管逆流を認め,ST合剤の予防内服を開始した.その後,2回の再発を認め,11カ月時に外科手術を余儀なくされた.ESBL産生菌は院内感染原因菌として注目されていたが,市中感染の起炎菌としての報告も増加しており,小児においても報告が散見される.乳児尿路感染症では膀胱尿管逆流を合併することが多く,ESBL産生菌をはじめとする多剤耐性菌の増加により,その後の外科治療を必要とする症例が増える可能性があり,臨床的な重要性は高い.今後の分離増加やその対策に注意が必要と考えられる.

Key words ESBL, 尿路感染症, 膀胱尿管逆流
受付日 2010年2月26日
受理日 2010年3月23日

小児感染免疫 22 (3):205─209,2010

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