機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第21巻第3号目次 > 抄録

─第40回日本小児感染症学会第75回ICD講習会─

細菌感染症をワクチンで制御する―肺炎球菌とインフルエンザ菌について―

中野 貴司

国立病院機構三重病院臨床研究部国際保健医療研究室
〔〒514-0125 津市大里窪田町357〕


インフルエンザ菌は,莢膜の有無により莢膜株と無莢膜株に分けられる.Hibとは,莢膜多糖体の血清型がb型のインフルエンザ菌(H. inf type b)であり,化膿性髄膜炎,喉頭蓋炎,菌血症,肺炎,関節・骨髄炎などの原因となる.Hibワクチンは結合型ワクチンであり,低月齢の乳児においても免疫原性を有する.
肺炎球菌は,小児から高齢者まですべての年齢層で肺炎の起因菌として最上位に位置し,化膿性髄膜炎や菌血症患者からの分離頻度も高い.欧米では7価結合型ワクチンが乳児期定期接種として用いられ,小児のIPD(invasive pneumococcal disease:侵襲性肺炎球菌感染症)減少とともに,集団免疫効果や高齢者に対する間接的な効果も報告された.
これら結合型細菌ワクチンは,乳児期の基礎免疫と追加接種により強固な免疫が獲得される.化膿性髄膜炎や肺炎は乳児から罹患が目立ち,重症化しやすいのも低年齢児である.したがって早期の接種が大切で,両ワクチンとも生後2カ月から接種を開始することができる.DPTなど他ワクチンとの同時接種も可能である.

Key words 多糖体ワクチン, 結合型ワクチン, Hib ワクチン, 肺炎球菌ワクチン

小児感染免疫 21 (3):245─251,2009

PAGE TOP