機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第21巻第3号目次 > 抄録

─原著─

Salmonella enteritidisによる急性脳症の1女児例

石川 順一1,2), 山室 美穂1), 外川 正生1), 塩見 正司1)

1)大阪市立総合医療センター小児救急科
2)現 神奈川県立こども医療センター感染免疫科
〔〒232-8555 横浜市南区六ッ川2-138-4〕


Salmonella enteritidisによる脳症は日本からの報告が多く,多くは生卵を介した食中毒が原因である.同菌による急性脳症の症例を報告する.症例は9歳女児.生卵をかけたご飯を食べた翌朝から発熱,腹痛,下痢,夜に意識障害をきたし入院.入院時WBC 13,760/μl,CRP 15.5 mg/dl,血清IL-6 1,355 pg/ml,髄液IL-6 455 pg/ml,フェリチン4,658 ng/ml.便培養にてS. enteritidisを検出したが,血液・髄液培養陰性だった.抗菌薬,ステロイドパルス療法を開始したが,翌朝全身けいれん後,昏睡となり,人工呼吸,脳圧モニター,脳低温療法など行った.脳浮腫は進行性に悪化し,急性腎不全,横紋筋融解症も合併し,約2週間後に臨床的脳死となり,3カ月後に死亡した.サルモネラ感染では,予後不良な急性脳症をきたすことがあるため,小児に対する生卵摂食の危険性を再認識する必要がある.

Key words 急性脳症, サルモネラ腸炎, サイトカイン
受付日 2008年2月6日
受理日 2009年5月19日

小児感染免疫 21 (3):207─212,2009

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